【前編】なくなると困る「良いモノ」

 

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縁側に置いたテーブルで寛いでいると、ラジオを流したくなります。

 

・・という事で去年、予備に買っておいたソニーのラジオ(ICF-EX5MK2)を開封しました。

EX5MK2は既に使っているのが1台あって、居間でACアダプターに繋がっているのですが、単2電池の使用期限が迫っていたこともあり、ポータブル用にもう1台出すか、と軽い気持ちで開けたんです。

 

しかし・・。

久しぶりにネットを見たら、生産終了の影響で中古相場が大変な事になっていました。

去年までは新品が1万円ちょいで買えていたのが、今ではプレミアが付いて最低でも4万円以上。次いで5〜6万円で、高い店だと10万円オーバーなんていう所もあったりする訳です。

 

え・・そんなの聞いてないよ? 封開けちゃったYO? なんか凄いお金持ちっぽい事しちゃったYOOOOO〜〜〜!!!

 

いやいや、確かに驚きだけど、全く知らない訳ではなかった。

昨年、某ネット掲示板に17年いっぱいでの生産終了を匂わす書き込みがあり、これは何となく本当臭いかも・・と思った私は、予備用に追加で1台、買っといたんですよ。

そうしたら実際に、今年の3月に生産終了のアナウンスがあった(らしい)。

 

私が馬鹿だったのは17年いっぱい=12月迄、と思い込んでいた所で、17年度=3月まで、という可能性を全く考えなかった所なんですよね。だから年末年始は念入りにチェックしていたけど、暫くしたら「なんだ、まだ普通に売り続けてるじゃん」と謎の安堵を感じて、春先からのチェックを怠っていた。

もっとも、生産自体は12月末に終了していて実は流通在庫のみになっていて、遅れて3月に終了のアナウンスを可能性もあるので、17年12月で本当に生産終了していた可能性もあるんですけどね。

 

兎にも角にも、ストック溜め込んで転売するとか、そういう目的で買っといた訳では無いので関係ない話ではあるんですけど、名機ゆえに生産終了がきたら絶対に高騰するだろうな、と思っていた事がズバリ現実に起きてしまったので、凄くビックリしたのは確かです。

 

ちなみに大きい方がEX5MK2で、ちっこい方はSW22というツーリストモデルなのですが、このちっこい方もタイに行く時に「あったらいいなぁ」と思って買ったのがその後すぐに生産終了になって、相場爆上げでプレミアが付いたという代物。

今でも美品なら買値以上で売れるし、未使用だと当時の新品価格の倍(2万円以上!)はする良いラジオです。

ウチのは今でも小傷一つない新品同様品だから・・。(じゅるり)

 

こうして、アナログ時代の技術の粋ともいうべき「素晴らしいモノ」が市場から消え、次第に修理すら満足に受けられなくなる時が訪れて、やがて朽ち果てる運命を辿る・・。

このどうしようもない不可逆な、時の流れの切なさ。心に沁みますね。

 

今使っているモノがいつか駄目になった時に、同じ物が欲しくても、もう買えない。

内臓バーアンテナの長さや感度を気にして遠距離受信に魂を燃やし、高級機を買った挙句満足できず外にデカいアンテナ上げたり*1しなくても、ラジコで手軽に聴ける時代になったんだものね。

そう考えると、逆に今まで、よく売り続けてくれたと思う。

去年ソニーのアンケートに「EX5MK2をやめたらラジオで興したソニーの魂が泣くぞ!売れなくてもこれだけは絶対に作り続けてくれ*2(意訳)」的なことを書いて送った事もあるんだけど、やっぱりどうにもならなかった、って事だから。

 

 一昔前はこういうモノに飛びついたりして、会社や出先で凄くお世話になったものだけど、本当に今や昔。

ラジオって性能が良いと遠くの放送局も綺麗に入って凄く嬉しいけど、夜になると電離層の反射で外国(特に朝鮮半島)の大出力の局ばかり入ってきて「ソレジャナイ」感を猛烈に感じたりする訳ですけど、同時に刻一刻と変化する大気の存在、世界の広がり、地球、そして宇宙との繋がりを濃密に感じる事ができて、多少の不便と引き換えに壮大なロマンを感じることが出来るんですよね。

そういう効率一辺倒じゃない「アナログ的ワールドワイドの面白さ」を感じる事ができる機会って実は物凄く重要なことで、今の時代に欠けているモノをうまく補ってくれる存在として、とても貴重な存在なんじゃないか、と思うんだけど・・。

せめてウチにあるラジオ達だけは、アナログ停波のその時まで、末長く使い続けようと決意するいのだんごでありました。

 

うーむ、相変わらずマニアックな記事だな。。

 

 

次回につづく  

 

*1:さすがに私もそこまでは凝らない。ラジオはラジオ単体で完結したいタイプ。

*2:実際には下請けの十和田オーディオが作っているので、既にソニーの魂は死んで久しいと見る向きもあるかもしれない。