夢の詰まった箱と月、そして2つ目の鼻

 

一昨日、夢に沢山のプラモが出てきた。

誰かの不用品らしく、部屋の隅に飛行機とか船の箱が何個も置いてあった。

内容はほとんど忘れてしまったけど、唯一、塗装済みで作りかけのbf109があったことは覚えている。

やった、これは貰っておかねば、と一通り漁って別の場所に行き、ウキウキしながら戻ってきたらアラびっくり。

貰うはずのソレは跡形もなく全部ゴッソリ無くなっていて、壮絶なショックを受けながら目覚めるという酷い寝起きだった。

それからどうしてもプラモの件が燻って頭から離れないので、じゃあこの際作ろうか、と二式戦(松本版)の箱を開けてみた。

 

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私はプラモを作っている時より、こうして説明書の絵を眺めながら「どんな感じに作ろうかな」と妄想している時間が好きだ。

一度この世界から遠ざかっていたことで、作業が上手くいった、いかなかったの連続に疲れるというのもあるけど、作り始めた瞬間からそのキットの可能性がどんどん閉じていくことが切なくて仕方ないのだと思う。

プラモデルは作らないことで無限の可能性を担保したまま好きなだけその妄想を楽しむことができる夢の箱で、いざ作り始めたその瞬間、希望と現実とセンチメンタルの詰まった箱へと一気に様変わりするのだ。

・・なんて言いつつ、作りたいから作るんだけどね。

今のところ大体はキット通りで尾翼のデカールは貼らず、日の丸と機体の赤色部分をどこまでデカールにしてどこからを塗装にするか、という線引きと、反射防止の黒帯を塗るのか塗らないのか、といったあたりで悩んでいる。

塗装は筆で、クレオスお薦めの塗り方を試してみるつもり。

 

 

・・と、ここまで考えたところで昨日、話が思わぬ方向へ。

先週の土曜に熱を出していたお婆さんの熱がぶり返したと、施設から母の携帯に連絡が入った。

どうやら貰っていた薬が切れたらしく、そのせいか又熱が上がり出した、とのことらしい。

そもそも土曜日といえば、月がほぼ満月だった日だ。

満月が近づくと体調が悪くなったり死者が増える、というのは疑似科学の類でよくある話だが、昨年亡くなった父もほぼ満月というタイミングで亡くなっているので、我が家に限って言えば的中率はかなりのものだ。

これが本当なら月のバカヤロー!となるところだが、どうにも根拠がない上に、仮に月の影響だったとしても実際どうしようもないので、本当にどうしようもないのである。

 

施設は先生も常駐していないので医学的なことは分からず、症状が酷くないので風邪じゃないか、との話だったが、さすがに5日経っても熱が出続けるのはおかしい。誤嚥性肺炎じゃないか?と母と話し、翌日(今日)病院で診てもらうことにした。

おかだんごのお爺さんは調子が悪そうだからと病院で診て貰い、肺炎と分かった翌朝には亡くなってしまったので、「風邪かも?」の慢心が命取りになる可能性が十分あることは分かっていた。弱った高齢者は本当にいつどうなるか分からないのだ。

だからと言って心配し出したらキリがない事も分かっているつもりだが、この際なので今のうちにできる事をやっておこう、という事で昨晩はずっと遺影写真の編集をやっていた。

 

そもそもお婆さんは大の写真嫌いで、昔からカメラを向けたら顔を隠す、外方を向く、なんて事ばかりだったので真面な写真が殆どない。私も生まれてから大学以降の10年を除いてずっと同居してきたが、ついぞまともに撮ることが出来なかった。

生まれた以上は皆いずれ死ぬ、ということで隙あらば撮っていたものが10数枚はあったのだが、「横か後ろを向いている」「暗くてノイズだらけ」「引きで解像度不足」「昔の携帯カメラで画質が悪い」の4択というトホホ具合だった。

母にも良い写真がないか聞いてみたがモニャモニャ言っていて埒があかないので、仕方なく一番マシだった「引きで解像度不足」にあたる集合写真の1枚を拡大して使うことに決め、上手くアップスケーリング(アップコンバート)出来ないかとネットで調べたPhotoshopCCの拡大機能で、人工知能を用いた優秀な補完モードがあることを知り、これに賭けてみることにした。

早速試用版をインストールして8倍まで拡大してみると、ボケボケかと思いきや思いの外良い感じに出来て驚いた。

引きの写真とはいえ元がDP2で撮ったものだったので、髪の毛の1本1本から肌や服の質感まで綺麗に、バッキバキに解像していたことで綺麗に補完の計算が入り、パーマのもじゃもじゃ頭でも僅かなノイズとジャギー感が出るだけで済んだのだと思う。

先の記事にも書いたけど、やはり大事な写真はDPで撮っておくものだなぁ、と予想外のメリットを感じた瞬間だった。

 

 

そうして一仕事を終えた感じで一息ついていると、母が昔の写真を持ってきた。

先週も遺影の話をしたことがあったので、なんで今頃持ってくるんだ、とモヤモヤしながら覗き込んだ写真には、20数年前のお婆さんが写っていた。

今とはだいぶ感じが違うその姿に「え・・誰!?」と思わず声が出たが、美容院に行った直後の姿は当時でも違和感バリバリだったこと、家の猫にも訝しい目で見られるような有様だったことを聞くにつれ、心底納得がいった。

気合を入れて遺影用に撮った割には驚くほど引きで撮られていたので、そこだけは未だに意味が分からないのだが、でも、とにかく一押しらしいので試しにスキャンしてみることにした。

 

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スキャナーはフラットベッドのEPSON GT-X820。型番以外は現行機と一緒だしキャリブレーション済みなので、買ってから6年近く経っても上位機のGT-X980にも引けを取らない頼れるヤツだ。アダプターを使ってフィルムスキャンもできるけど、肝心のフィルムがない、というのはお約束。

普段はおかだんごが図書館で借りた資料をスキャンするのに使っているので、今回は念のためにオリンパスのレンズクリーナーとニコンのシルボン紙でガラス面を綺麗にしてから使った。

最大値の1600dpi*1で写真をスキャンしてみると、大伸ばしで流石にキツいけどギリギリ使えないこともない、という感じだったので、ごみ取りや傷消しをする前提でこの写真を使う事に決めた。

写真の補正・修正にはPhotoshopを使うのが世間の定番だが、私はフォトショの使い方がいまいちよく分からないので、デジタルだけどアナログパワー全開なPainterを使って手直ししている。要はペンタブを使って絵を描く要領で修正するわけだ。

だから時間がかかる。時間はかかるけど自分の感覚、フィーリング上では一番自然に作業ができるので信頼性だけは高い。フォトショなんかにゃ負けん、と思いながらひたすら手を動かし続ける。デジタルのくせに実に非効率的だが、効率的なフォトショより愛情溢れる感じで良いだろう、ということでひとまずは正当化している。

そんなこんなで3時間くらいかけて写真を綺麗にし、昨夜は疲れ果てて眠りについた。

 

 

そして今朝。

またもや変な夢を見て起きた。

その夢の中の世界では、人間には二つ目の「鼻」がある。

しかし、問題はその位置だった。

 

なんと「股間の少し上」にあるのだ。

つまり、パンツの前側のど真ん中に、二つ目の鼻がある。

男はもとよりモッコリしているが、よりモッコリに。

女は女で、二つ目の鼻のせいでテントを張ってモッコリになるという、トンデモナイ世界。

試しにおかだんごの股を見せてもらうと、アンダーヘアの上、ど真ん中に綺麗に「鼻」が付いていた。

私は目を疑ったが、おかだんごに聞いてみると「当たり前だけど」みたいな反応をされて物凄く自信がなくなった。

恐る恐る自分のも確認してみる。

・・・・やっぱり付いている。

しかもご丁寧にアンダーヘアが綺麗な形に処理されており、まるで股間にチャップリンが張り付いたかのような佇まいだ。

なんでやねん、とツッコミを入れる余裕すらない事態である。

 

それでも、どうしても違和感が拭えない。

例えそれが正しいとしても・・なんかおかしい気がする。

この世界ではそれが普通だとしても、自分はそれと違う価値観の持ち主なのだとしても、さすがにこれは嫌だ。

どこかで鼻を取る手術はできないだろうか?

あぁ・・でも鼻を取ったら、下腹部に変な穴が2つ残るのか。それはそれで嫌だ。

しかも、このお腹の中に鼻腔があるのか?人間の体ってどうなってんだっけ??

混乱が混乱を呼ぶ。

そもそもこんな所に鼻があったら、年中色々と臭そうじゃないか。夏場なんて蒸れたら最後、考えただけで恐ろしい。

なんの為に鼻が・・なんの為にいぃぃぃ〜〜〜!!!

 

・・・という苦悶の目覚めである。

いい加減ちゃんと眠りたいのに、なんでこうなるんだろう。

 

 

結局お婆さんは施設の方に送迎され、母の付き添いで一通り検査を終えると、なりかけか終わりかけの「誤嚥性肺炎」と診断され、めでたく入院できる運びとなった。

結核の検査もあるので結果が出るまでは面会謝絶との事らしいけど、入院していれば余程重症でない限り大丈夫だと思うので、ひとまずこれで一安心。

でも、結局は「やっぱりね」の一言に尽きるなぁ。

今回はきれいに治っても近い将来、また同じように誤嚥性肺炎は起こるだろうから、やっぱりそろそろお別れが近いのかな、と思わずにはいられない本日のいのだんごでありました。

 

もう家族が増えることはないし、衰えつつ減っていくしかない、という悲しみの道をどう生きて行くのか。

何も家族に限ったことではなく、この国もまた、その道程にあるわけで。

きっと沢山いるんだろうね、似たような境遇の人。

生々流転、諸行無常。ここから先は、仏の道よ。 でも末法よ(笑

 

 

*1:仕様表の光学解像度6400dpi=CCD1ライン1600dpi×4ラインという意味なので、実質解像度は1600dpiな気がする。