クルマがいちばん美しいとき

 

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四ヶ月ぶり*1に戻ってきたロードスターに乗って家路につくふたり。

まっさらなサイドミラーに映る、まっさらな塗装のボディ。

大禍時が染め上げたその姿はかつてないほど綺麗で、思わず息をのむ。

 

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途中で寄ったガソリンスタンド。

空っぽのタンクに燃料を満タンまで入れて、フューエルリッドを閉める。

ボディラインに沿って映り込む景色はひときわ輝いて、普段の何十倍も美しく感じた。

 

でも、この美しい姿もきっと、今がピーク。

明日、明後日、明々後日。時を経るごとに少しずつそれは失われてゆく。

だからせめて、その美しい姿を残しておきたい。*2

時の不可逆の切なさが、より美しさを際立たせる。

 

そしてこの綺麗なボディの下には、所々に錆びを浮かせた足回りが隠れている。

良い内装も、ボンネットの中も、それなりに程度は良いとはいえ、23年という時の流れが其処此処に滲み出ている。

表向きにはどんなに輝いていても、老いを隠しきれないその姿を前にして、私はまるで死化粧のようだな、と思った。

 

 

*1:なぜ四ヶ月ぶりなのか、という詳しい経緯はこちら

*2:良いカメラ持ってるくせになんでコンデジで撮っとんねん!というツッコミは無しの方向でお願いします。